ダーツバー開業3つのポイント
Barの中でもダーツバーを開業する場合には注意すべきポイントが3つあります。
それはダーツ機の設置面積、遊興、接待行為です。
これは特にダーツバーと意識していないお店であっても、ダーツ機やゲーム機が設置してあるお店であれば同様に気をつけなければいけません。
ダーツの設置面積
※2018年9月25日追記
未確認情報ですが、デジタルダーツ機とシミュレーションゴルフが風営法のゲーム機の対象から外れたとの情報があります。これが本当だった場合には、以下に記載した10%ルールはデジタルダーツ機には適用されないことになります。
※2018年10月1日追記
上述の情報の裏付けとして通達が公開されました。
- 従業員が目視または防犯カメラの設置により、当該営業所に設置されている全てのデジタルダーツ及びシミュレーションゴルフの遊技状況を確認することができる。
- デジタルダーツとシミュレーションゴルフ以外の遊技設備が設置されていない(設置してあっても10%ルールを守っていれば設置されていないのと同じ)。
という2つの条件をクリアしていれば、10%ルールも含めた風営法の対象外ということになりました。
以下の設置面積に関する部分は、参考のため削除せず取り消し線のみ追加して残しておきます。
ダーツバーで最も気をつけなければならないのは設置面積です。
ダーツバーを営業するときに、店内に好きなだけダーツ機を設置していいのでしょうか。
結論から言うと、風俗営業許可を取得せず、0時を超えて営業したいのであれば”デジタル”ダーツの設置面積が、お客が利用する部分の床面積の10%を超えないようにしなければいけません。
なぜなら、デジタルダーツは法律上はゲーム機とみなされるため、上記の基準を超えた場合には、風営法上のゲームセンターの許可を取らなければいけないからです。
なお、お客が利用する部分というのはトイレなどを含む床面積のことで、これは図面を作成するときの客室の床面積とは異なります*。
*都道府県(警察署)によって取り扱いが異なることがあります。
また、客室が複数ある場合であっても、お客の利用する部分全体の面積を基準に判断するのが原則です。ただし、各客室に対して10%だと思っている警察の担当者もいるため、そのような担当者の場合には、公安委員会に確認を取ってもらうとよいでしょう。
ここで注意しなければいけないのは、ダーツ機の設置面積は、本体だけでなく、スローラインまでを基準に計算するということです。
例えば、DARTSLIVE2 DXという機種だと、幅が800mmで奥行が637mmでスローラインまでが212cmです。
メートルに統一して計算してみると、0.8×(0.637+2.12)=約2.2㎡、となりますので、1台あたり22㎡の客室床面積が必要になります。
バーのイメージからすると、ちょっと広めのお店で2台置けるかどうかというところでしょう。
また、デジタルダーツ機以外にもスロットマシンなどを設置する場合には、それらも含めて計算しなければいけませんので注意しましょう。
なお、ダーツであってもハードダーツはゲーム機とはみなされませんし、ビリヤード台などもゲーム機とはみなされません。
もちろん「ダーツ機をたくさん置きたいからゲームセンターの許可を取る!」というのは全く問題ありませんが、その場合には営業できる地域と営業できる時間に制限がかかります。
許可を取った場合にお店の経営上最も問題となる制限は営業時間でしょう。
深夜酒類提供飲食店営業であれば時間制限はありませんが、ゲームセンターの許可を取った場合には、原則0時まで(一部の繁華街では1時まで)しか営業できません。
10%ルールを守っていないと無許可の風俗店営業になり、罰則も一気に重くなります。お店にデジタルダーツ機やデジタルゲーム機を設置する場合には、設置面積に注意しましょう!
※上記の10%ルールは現在ダーツバーには適用されません。詳しくは本パラグラフ冒頭の追記部分をご参照ください。
0時過ぎたら遊興禁止
バーのように深夜酒類提供飲食店営業をするお店では、0時を過ぎてお客さんに遊興をさせてはいけないというルールになっています。
では「遊興させる」とはどんな行為でしょうか。それは例えば以下のような行為です。
- お店にいる不特定のお客さんに歌、ダンス、ショウ、演芸、映画その他の興行等を見せる行為
- 生バンドの演奏等をお客さんに聞かせる行為
- のど自慢大会等お客さんの参加する遊戯、ゲーム、競技等を行わせる行為
- 舞台装置を設けて不特定のお客さんにカラオケをさせる行為
- 不特定のお客さんにカラオケを歌うことを勧める行為
- 不特定のお客さんの歌をほめはやす行為
- 客にダンスをさせる場所を設けるとともに、音楽や照明の演出等を行い、不特定の客にダンスをさせる行為
ちょっと言葉が古臭くてわかりにくいですが、要するにお店がお客さんに働きかけて楽しませるような行為です。
また、「不特定」という言葉が何回か出てきますが、これを「特定」のお客さんに向けてしまうと、次に書く「接待」になる可能性が高いので要注意です。
さて、本題に戻りますと、ダーツバーではよくハウストーナメントなどの大会が開催されますが、これはお客さんに「遊興させる」ことに該当します。
つまり、ダーツバーでダーツ大会を開催するときには、必ず0時前までに大会が終わるようにしなければなりません。
ここまでが原則ですが、1晩で終わるイベントで6か月以上連続で開催されないのであれば反復継続しているとは認めず特定遊興飲食店営業には当たらないとされていますので、この条件の範囲内であれば月例大会のようなイベントも開催可能です。
接待禁止
深夜営業をする場合はもちろん、ゲームセンターとして許可を取って営業する場合でも、風営法に定められた「接待」をすることはできません。
接待の詳しい説明はここでは省きますが、ダーツバーで主に問題になるのは、店員がお客さんと一緒にダーツをするという行為です。
これはほぼダーツバーでは常態化してしまっていますが、風営法上の「接待」にあたります。
つまり警察がその気になれば風俗営業の無許可営業で取り締まりが可能だということです。
どうしても店員がお客さんとダーツをプレイしたいのであれば、一度タイムカードを切るなどして退勤し、制服があるのであれば私服に着替え、お客さんの立場で入店しなければなりませんが、これすらもNGとされる可能性はあります。
まとめ
このようにダーツバーを営業する際には色々な注意点があります。
3つめに紹介した「接待」をしてしまったりすると、理屈のうえでは無許可の風俗営業として逮捕される可能性もある厳しいルールなので、違反しないようにしなければなりません。
行政書士法人BULANでは、ダーツバーの飲食店営業許可、深夜酒類提供飲食店営業の届出の代行をしております。手続きでお困りの方はぜひ一度ご相談ください。