ガールズバー開業の注意点
約10年前に登場した「ガールズバー」という業態もずいぶんと一般的になりました。この記事ではガールズバーを開業する際の注意点について紹介していきます。
必要な手続き
まず、ガールズバーを開業するにあたって必要な手続きを考えてみますと、ガールズバーであっても飲食店ですので、飲食店営業許可は当然必要になりますし、消防への防火対象物使用開始届出も必要となります。
バーということで、お酒がメインの業態と考えられますので、0時を超えて営業する場合には、警察への深夜酒類提供飲食店営業開始届出も必要になります。
警察への届出に関しては、「飲食店営業許可だけ?バー開業の注意点」にも詳しく書いています。
ガールズバーが違法営業になることがある
しかし、ガールズバーを営業するときに上記の手続きで営業すると違法営業になってしまう場合があります。それは店舗で風営法上の「接待」が行われている場合です。
「接待」が行われる場合には、風営法に規定された風俗営業の許可が必要になります。
もともとガールズバーはこの風俗営業許可を回避するために考えられた業態なのですが、風俗営業許可が必要かどうかギリギリのラインの業態のために、営業の形態によっては風俗営業許可が必要になってしまいます。
風営法のいう「接待」って何だろう
風営法のいう「接待」は、一般的な意味の接待とは違い、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」だとされています。
これだけじゃ一体どんなことが「接待」なのか全然わからないですよね。
想像しやすい例を挙げると、キャバクラでキャストがお客にしていることが「接待」です。
- 席について話し相手になる
- 席についてお酒を作る
- 一緒にゲームをする
- カラオケをデュエットする
などが代表的でしょうか。
もちろん実際に警察が「接待」かどうかを判断する場合には、もっと細かい基準がありますが、今回は省略します。
その一方で、お酌をしたりお酒を作ったりしてもすぐにその場から立ち去ったり、お客さんの後方やカウンター内で、お客さんの注文に応じてお酒を出したり、そのときに少し挨拶したり、世間話をしたりすることは「接待」ではないとされています。
つまり一般的なバーで、バーテンダーがお客さんと世間話をする程度であれば「接待」にはあたらないということになり、風俗営業許可を取らなくてもよいわけです。
つまり、ガールズバーというのは、バーテンダーが女の子中心のバーだから風俗営業許可が不要だという理屈なんです。
実はこの話は、、風俗営業許可を取らずに営業しているスナックにも全く同じことが当てはまります。実際に、スナックを営業していて、無許可の風俗店営業として摘発を受けるケースもあります。「うちはスナックだから関係ない」と思わず、接待行為をしないように注意しましょう!
ガールズバーが無許可営業で摘発されるケース
では風俗営業許可が不要なはずのガールズバーが摘発されるのはどんなケースでしょうか。
まず、理論上は「接待」にあたる行為をしていると判断されれば無許可での風俗営業として摘発される可能性があります。
実際に摘発まで至りやすいのは、
- カウンター外で席についている
- 18歳未満の女性が働いている
- 指名制がある
- わいせつ系サービス、イベントがある
あたりでしょうか。
このあたりは外形からも無許可営業とわかりやすいため、摘発しやすいというのもあるでしょう。
ガールズバーを合法的に運営するために
さきほども書いたとおり、ガールズバーは、「バーテンダーが女性中心のバー」であって、「風俗営業許可の要らないキャバクラ」では無いということをしっかりと認識することが大事です。
ビジネスというのは継続性が大切で、法律を守るというのはその大前提となる要素です。
無許可営業として警察に摘発された場合には、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金を受ける可能性があります。
実際には初犯の場合には、略式手続きで罰金刑を受けることがほとんどでしょうが、前科がついてしまうことに変わりはありません。
また行政法上の罰として、営業停止や営業許可の取消しなどを受けることもあります。
ガールズバーを運営する方は、「接待」行為をお店でしないよう充分注意をする必要があります。
行政書士法人BULANでは、接待行為を行わないガールズバーの警察への届出をサポートしています。ガールズバーの開店をお考えの方はぜひ一度ご相談ください。